ブライダル業界の志望動機の書き方｜効果的にアピールするコツ【例文あり】

「結婚式に携わる仕事がしたい」「人の幸せを祝福したい」「理想を形にする仕事をしたい」など華やかなイメージから人気が高いブライダル業界。

結婚する二人にとって特別な一日をサポートするブライダル業界では、スタッフの人間性や人柄が特に重視されます。そのため、あなたの人となりを知ることができる「志望動機」はESの中でも特に重要視されます。

志望動機を充実させることは内定を勝ち取るための重要なポイントです。この記事では、ブライダル業界で評価を得られる志望動機の書き方を解説します。ポイントを押さえ、自分らしい志望動機に仕上げましょう。

ブライダル業界について知ろう

ブライダル業界の職種

ブライダル業界は、大きく分けて下記の6つの分野に分かれています。

ブライダル業界と聞くと①の挙式披露宴・披露パーティーを想像する人も多いですが、ハネムーンやブライダルジュエリー、結婚情報サービスなどもブライダル業界に含まれます。

就活生からも人気が高い①の挙式披露宴・披露パーティーには、プランナー、ドレスコーディネーター、バンケットサービス、ヘアメイク音響、照明といった職種があります。

ブライダル業界は、披露宴やパーティーなど華やかな印象が強い業界ですが、現場では新郎新婦の理想を現実にするために、日程、式の形態決め、ドレス、招待状、席次表など細かな打ち合わせを何度も繰り返します。そのためスタッフには、結婚式当日を盛り上げる明るさや社交性はもちろん、理想を形にするための計画性やコツコツと作業ができる真面目さ、粘り強さも必要となります。

ブライダル業界の将来性

ブライダル業界は、時代の流れやトレンドに影響されやすい業界です。そのため現在は少子化や婚姻率の低下などの影響によって、穏やかに縮小傾向にあるのが現状です。

しかし、ジミ婚や楽婚など費用をかけない結婚式や、ガーデンウエディング、レストランウェディング、フォトウェディングなどオーダーメイドの結婚式の需要は増加し、柔軟な対応ができる企業は業績を伸ばしています。ブライダル業界は、今後も変化し続けることが予想されます。

ブライダル業界の魅力

結婚は新郎新婦やそのご家族、親戚、友人にとっても大切なイベントです。そんな大切な日をプロデュースでき、お客様の「幸せ」に関わることができる点が、ブライダル業界の大きな魅力です。

結婚式当日までの長い準備期間中は、新郎新婦と綿密な計画を立てるなど細かな作業と努力が必要となります。そうした努力の成果を、結婚式として目の前で見届けられ、感動や達成感を新郎新婦と共有できることは大きな喜びにつながるでしょう。

また世の中では、多くの仕事が機械やロボット、インターネットなどの力を借りて作業が進みます。しかし、ブライダルの仕事は、お客様の心に寄り添い、お客様の言葉や表情から気持ちを読み取り行動していく「人にしかできない仕事」です。このように人にしかできないブライダルの仕事は、どんなに世の中が変化してもなくならない、希少な仕事だといえます。

ブライダル業界で求められるスキル

ブライダル業界といえば、新郎新婦の要望を聞きながら結婚式の計画を立てる「ウェディングプランナー」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。ここではそのプランナーの仕事を通してブライダル業界で身につくスキルを紹介します。

コミュニケーション能力

ブライダル業界では日々お客様とのコミュニケーションや、スタッフ同士のコミュニケーションなど、さまざまなコミュニケーションの場面があります。

ブライダル業界で必要とされるコミュニケーション能力は「相手の言葉を聴く力」「自分の言いたいこと伝える力」「行動や表情で気持ちを伝える力」です。

コミュニケーション能力を発揮し周囲と信頼関係を築いてこそ、新郎新婦の理想の結婚式を作り上げることが出来るのです。このような幅広いコミュニケーション能力は、ブライダル業界に必須のスキルと言えるでしょう。

ビジネスマナー

お客様と直接かかわる機会が多いウェディングプランナーなどは、企業の顔としての役割も担っているため特に厳しいビジネスマナーが必要となります。

接遇、礼儀、マナーはもちろん、話し方、挨拶の姿勢、清潔感のある身だしなみなど、お客様が不快にならないような立ち居振る舞いが常に求められます。

結婚式特有のマナーに加え、普段学ぶ機会が少ない礼儀作法についても重要視される業界です。

ホスピタリティ

ブライダル業界では、思いやりやおもてなしの心で相手に接する「ホスピタリティ精神」が欠かせません。

ブライダル業界を訪れる人は、「結婚」という特別なイベントをどのように演出するかを相談するために訪れます。そしてブライダル業界のスタッフは、新郎新婦がブライダル業界を訪れた瞬間から最良の時間を過ごしてもらえるよう、細部にわたって気を配らなければいけません。

ここで重要になるのが思いやりやおもてなしの心です。ホスピタリティ精神は、お客様の喜びや感動につながる能力です。

スケジュール管理能力・提案力・交渉力

ブライダル業界は、お客様のニーズに応えることが大切ですが、理想を現実にするためにはしっかりとしたスケジュール管理が重要となります。

また結婚式やブライダルジュエリー、ハネムーンなどブライダルに関わる行事には大きなお金が動きます。そのため予算にあったプランを提案しなければいけません。お客様が予算を抑えることに恥ずかしさを覚えないような心配りや、予算を抑えたプランに納得していただける交渉力も重要となります。

このようにお客様の理想を現実にするためには、スケジュール管理能力・提案力・交渉力が欠かせません。

ブライダル業界に求められる人物像

人を喜ばせるのが好きな人

ブライダル業界で最も必要とされる人材は「人を喜ばせるのが好き」という心の持ち主です。人を喜ばせるためには、奉仕やおもてなしの精神が重要になるため、ホスピタリティマインドの持ち主とも言い換えることができます。

ブライダル業界で必要とされるホスピタリティマインドは、ただ単におもてなしをするだけでなく、新郎新婦の大切な日を必ず成功させるという責任や、その場にいる多くの人々にも喜んでもらいたいという思いも含まれます。

人を思いやることで相手を喜ばせた経験や、相手の意向を尊重しながらも目標達成した経験をもつ人は、ぜひホスピタリティマインドとつなげて志望動機に盛り込みましょう。

柔軟な対応ができる人

ブライダル業界では、お客様のニーズやこだわりに寄り添うために柔軟な対応を求められます。

例えば結婚式の準備においては、長い場合で1年ほどかかります。長い準備期間の中では、お客様の要望の変化や、お客様を取り巻く状況の変化も考えられます。そのような変化にも柔軟に対応しなければいけません。

また結婚式当日には、参列者から想定外の要望が出たり、予期せぬトラブルが発生することも考えられます。参列者の方とは結婚式当日に初めて顔を合わせるケースも多く、関係性が作られていない中での柔軟な対応は高度なスキルです。

自分の対応力に自信がある人は、ぜひ志望動機に盛り込んでアピールしましょう。

細かいところに気がつく人

ブライダル業界においては、細かいところに気がつく人は重宝されます。細かいところに気がつく能力とは「業務上の細かな部分に対し、注意が行き届く力」です。

結婚式を作るためには、細かな作業や業務の積み重ねが必要です。その際に起こる小さなミスや勘違いは、取り返しのつかないトラブルに発展する可能性があります。日ごろから、細かなところまで関心をもち、間違いに気付ける人がいることでトラブルを回避できたり、臨機応変に対応ができるでしょう。

また、よく気がつく人は、物事を多角的な視点からみることできます。それによって相手の立場に立って物事を考えたり、相手を思いやった行動ができます。このような能力は、たくさんの人との対応が求められるブライダル業界では必要となる能力です。

自分の行動や気づきがきっかけに問題解決につながった経験をもつ人は、志望動機に盛り込んでアピールしましょう。

採用担当者は志望動機の何を見るか

採用担当者は就活生の志望動機から、学歴や経歴だけではわからない「人柄・熱意・適性」を読み取ろうとしています。

お客様の人生において大切なイベントである「結婚」のサポートを担うブライダル業界において、この3つの要素はとても重要になります。ですからESの志望動機欄という限られた文字数であっても、「人柄・熱意・適性」が含まれているかを意識して作成するようにしましょう。

人柄は、志望する企業が求める人物像に結びつくような自分の強みをアピールします。ブライダル業界といっても、厳かな結婚式を行う企業からカジュアルで現代的な結婚式を行う企業までさまざまです。企業によって求める人物像が違うため事前に確認しておきましょう。

　

ブライダル業界で働きたいという「熱意」を伝えることも大切です。

ブライダル業界は、華やかなイメージが強く憧れる職業の一つです。ですがブライダル業界は、お客様の大切な一日をサポートするという大きな責任があるため、精神面や体力面の強さも必要となります。憧れだけをアピールする志望動機はマイナスの印象を与える可能性があるので注意しましょう。志望動機ではブライダル業界への憧れだけでなく、人を喜ばせたいという気持ちや、人を幸せにしたいといった熱意を伝えることが大切です。

最後に人柄や熱意はあっても「適性がブライダル業界にあっていない」というケースもあります。なぜなら、ブライダル業界はサービス業の一種であり、一般職に比べて特殊な適性が必要になるからです。

ブライダル業界で必要とされる適性の一つに「マナーや礼儀作法」があります。ブライダル業界では特に高いレベルでのマナーや礼儀作法が求められるため、それらに対応できる人材でなければ務まりません。

その他「コミュニケーション能力」や「スケジュール管理能力」などもブライダル業界では必要不可欠な適性です。適性は努力して身につくものばかりではないため、就活時にこれらの適性が自分に備わっているかどうかも見極めておきましょう。

マナーや礼儀作法につながる資格は、ブライダル業界が必要とする適性を持っていることの裏付けとなるので積極的にアピールしましょう。

ブライダル業界の志望動機を書く時のポイント

なぜブライダル業界を志望するのか明確にする

ブライダル業界に興味を持つきっかけは「憧れ」が大多数を占めますが、憧れだけで勤まる仕事ではありません。人を喜ばせたり、感動の瞬間に立ち会える職業はブライダル業界以外にもたくさんあります。

その中で、「なぜブライダル業界を志望するのか」を明確に伝えることで、業界研究をしっかり行っていることを伝えると共に志望度の高さをアピールすることにも繋がります。

「なぜブライダル業界を志望するのか」の答えが見つからない時は、その他のサービス業と比べてみましょう。そうすることでブライダル業界のどんなところに惹かれたのか、その理由が見つかるかもしれません。

「努力の成果を結婚式という形で体感できる」「お客様の新しい門出を祝福できる」などはブライダル業界ならではの魅力です。まずはブライダル業界への理解を深め、自分がなぜブライダル業界を選んだのかを明確に伝えていきましょう。

その企業でなければならない理由を書く

数あるブライダル関係の企業の中でも、その企業でなければいけない理由を述べることで、あなたの志望度の高さをアピールします。現在のブライダル業界は、伝統的な結婚式やカジュアルウェディング、大規模ウェディング、小規模ウェディングなど、さまざまなブライダル形式が存在します。

あなたはその企業のどの部分に惹かれたのか、その企業でなければいけない理由を明確に伝えることで入社意欲をアピールします。特徴を掴み、その企業でしか成し遂げられないことを伝えることで、「会社の方針に従い、一生懸命に働いてくれる人材である」と評価されるでしょう。

企業の魅力がまとまらない時は、その企業の強みや得意分野に注目すると見つかりやすくなります。

入社後に働いている姿をイメージさせる

将来どのようになりたいのか、お客様とどのように関わっていきたいのかを具体的に伝えることで、入社後のあなたの姿をイメージしてもらうことができます。

企業は目標をもって入社する学生に大きな期待を抱くはずです。また人の役に立ちたいという気持ちをアピールすることで、憧れだけに終わらない、しっかりとした熱意を伝えることが出来るでしょう。

ブライダルコーディネート技能検定などブライダル関係の資格を取得している人は「即戦力」をアピールできます。ぜひ志望動機に盛り込みましょう。

ブライダル業界ならではのフレーズを使用する

上記のような文章は、ブライダル業界特有の志望理由です。このように、ブライダル業界の特徴を示す具体的な言葉やフレーズを使うことで、ブライダル業界に対する熱意や情熱がより伝わりやすくなります。

ブライダル業界はお客様一人ひとりに合わせた対応を行うため、大変なことも多くあります。しかし、お客様の晴れの舞台に携わることができる幸せな仕事であることに違いありません。

その憧れや将来を想像し、華やかな言葉を志望動機に含められると、目を惹くことができます。ありきたりな言葉ではなく、自分の思いが詰まったフレーズなどを考えてみましょう。

魅力が伝わりやすい文章構成

①結論を伝える

書き出しは、結論から書くことが大切です。結論は「志望動機の中で一番強調したいこと」です。そして書き出しから意識することは、書き出しの「①結論」と、文の締めくくりの「③企業にどのように貢献するか」を関連付けることです。

例えば、結論が「ウェディングプランナーを志望する理由は、人に喜んでもらえる仕事だから」とするなら、企業への貢献の仕方は「たくさんの人に満足頂ける結婚式を提供できるウェディングプランナーになりたい」とつなげると、志望理由と企業への貢献の仕方がリンクづけられ説得力が増します。

また結論は短くまとめ、具体的な内容は次の項目「②志望した理由」で述べるようにしましょう。

②志望した理由を明確に伝える

結論の次に、具体的な志望動機を伝えます。なぜブライダル業界を志望するのか、なぜその企業を志望するのかなどを具体的に伝えましょう。

ブライダル業界は華やかなイメージが強く、志望動機が「憧れ」になっている人も多くいます。しかし、憧れだけではいけません。ブライダル業界や志望する企業をなぜ選んだのかを具体的に伝えることが大切です。

志望する企業の魅力がまとまらない時は、企業研究をおこないその企業の得意分野や強みに注目することで見つかりやすくなります。

③企業にどのように貢献するか伝える

文の締めくくりは「企業にどのように貢献するか」を伝えます。①で説明した通り、書き出しの結論と企業への貢献の仕方が結びついていることが重要です。

志望度の高さや仕事への熱意だけでなく、自分の性格や能力が仕事でどのように役立つのかをアピールします。貢献の仕方は、「お客様が求めているものを提案できる人材になりたい」「お客様を大切にし満足のいく提案ができる人材になりたい」というように、入社後の姿をイメージさせるようにしましょう。

ブライダル業界の志望動機例文

多くの人を喜ばせたい

インターシップやアルバイトなどでブライダル業界を体験した人は、積極的にアピールしましょう。業界の雰囲気や業界内の常識を体験していることは大きなアピールポイントになります。参加した企業が違っていても問題はありません。

しかし憧れや感動が志望動機の根幹になってしまうとアピールが弱くなってしまいます。体験から学んだことや感じたことを動機につなげ、力強く志望度の高さをアピールしましょう。

お客様の大切な一日を演出したい

実際にブライダルスタッフと接した経験から、ブライダル業界に関心をもったことがアピールできているので、説得力のある志望動機となっています。

目標とする人物像を明確に示すことで、入社後も目標に向かって成長していく人材だということを印象付けます。また、スタッフの立ち居振る舞いが周囲に感動を与えることを体験から学んでいるところが、再現性があると判断され好評化につながるでしょう。

新しいスタイルの結婚式を伝えたい

数ある企業の中から、その企業を志望する理由が明確に示されており、志望度の高さがアピールできています。また企業の強みと自分の思いがリンクしており、企業が求める人物像とのマッチ度も強調できています。

またブライダル業界全体の現状や動向にも目を向けているところが、業界への理解度も示せており好印象につながるでしょう。

その企業を志望する理由がまとまらない時は、その企業が得意分野や特徴に注目すると見えてきます。志望動機を作成する際は、企業研究をしっかりと行ったうえで取り掛かりましょう。

ブライダル業界の志望動機を伝える際の注意点

ブライダル業界への憧れだけを伝えない

ブライダル業界に興味を持ったきっかけが、憧れの方も多いでしょう。しかし、志望動機が「憧れだったから」では内定を勝ち取ることはできません。もちろん憧れる気持ちは大切ですが、憧れはあくまでもブライダル業界を利用するユーザー目線になっています。就活では「華やかな世界を提供する側の視点」を持つことが重要なのです。

志望動機を考えるうえでは「なぜ憧れたのか」を掘り下げて考えてみましょう。そこから「自分も感動を作りたい」「お客様の特別な瞬間をサポートしたい」「お客様の理想を形にしたい」と、提供者側の視点が見えてきます。

お客様の目線を意識する

企業はブライダル業界のファンを探しているのではなく、ブライダル業界を一緒に盛り上げてくれる人材を探しています。

例えば、「ブライダル業界で働くことが私の夢です」と伝えると、あなた自身が夢の世界で素敵な体験をすることが志望動機になってしまいます。あくまでも素敵な体験をするのはお客様であって、あなたは夢の世界を提供する立場にいます。

志望動機を作成するうえで体験する側と提供する側が入り混じることがあるので注意しましょう。夢の世界を提供する側に立ちたいという熱意を伝えることが重要です。

責任の大きさを理解した言動を心がける

ブライダルに関わる全ての仕事は、お客様の人生において大切な瞬間を作り上げる責任を担っています。ブライダル業界の華やかで幸せな一面だけを見ていると、華やかな世界を作るための努力や苦労に直面した時に、挫折したり辞めてしまうことにつながります。

華やかな世界の裏にある努力や苦労への理解度は、採用担当者が重視しているポイントの一つです。お客様の幸せのために尽力する決意や覚悟を伝え、大きな責任を担える人材だということをアピールしましょう。

志望動機にこだわってライバルに差をつけよう

志望動機は採用を左右する重要な資料です。ブライダル業界は、職種によって仕事内容や必要とされる人物像が大きく異なってきます。そのため志望する企業や職種によって志望動機を作り変える必要があり、大変と感じる人もいるかもしれません。

しかし、採用担当者にとって志望動機は、あなたの人柄や熱意を知る大切な情報です。志望動機の内容を充実させることは、採用確率を引き上げることに直結するのです。

志望動機にこだわってあなたの魅力を十分にアピールしてください。そして「新郎新婦のサポートをあなたに任せたい」と思わせるような志望動機を作成しましょう。